論文掲載

動物プランクトンによる有機炭素の深海への輸送に関する論文が、Frontiers in Marine Scienceに掲載されました。

T. Ikenoue et al., Neocalanus cristatus (Copepoda) From a Deep Sediment-Trap: Abundance and Implications for Ecological and Biogeochemical Studies. Front. Mar. Sci., 20 May 2022.

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2011年の白鳳丸航海で福島県の沖合にセジメントトラップを設置し、2年間にわたって観測した結果をまとめたもので、2014年に報告された沈降粒子の主要成分の分析結果に、新たに得られた動物プランクトンの種組成の解析結果を合わせて解析したものです。本研究により、沿岸―外洋の移行域である同海域において、海洋表層から水深1000m以深の深海へと隔離されるの有機炭素の約2割が、動物プランクトンの鉛直移動によるものであることがわかりました。この海域における炭素をはじめとした親生物性の元素の動態の理解を深めるうえで重要な知見と言えます。