新青丸による福島沖調査 2022

News

10月2日から12日にかけて、新青丸KS-22-14次航海「福島沿岸海域における放射性核種の動態および生態系の環境応答」が実施されました。海洋無機化学グループからは乙坂准教授が参加しました。低気圧の接近により、沖合の観測点での観測は見送らざるを得ませんでしたが、福島第一原発近傍を中心とする主要海域での観測を行うことができました。

この航海は、2011年に発生した福島第一原発事故によって福島周辺海域に沈着した放射性核種の動態を追跡するための継続調査の一環です。航海では、CTD-CMSを用いた海水試料、マルチプルコアラ―を用いた堆積物採取(写真)、各種プランクトンネットや生物ドレッジを用いた生物試料の採取などを行い、持ち帰った試料の分析結果から、様々な放射性核種の動態が詳細に議論されます。

福島第一原発事故に関連する海洋研究について詳しく知りたい方は、こちらの総説(英語です)もあわせてご参照ください。

Otosaka, S., Kamidaira, Y., Ikenoue, T., Kawamura, H. Distribution, dynamics, and fate of radiocesium derived from FDNPP accident in the ocean. Journal of Nuclear Science and Technology 59, 409-423 (2022)