10月7日から10月17日にかけて、新青丸KS-21-23次航海「福島周辺の海底及び海底境界層における放射性核種の動態と生物利用性」が実施されました。海洋無機化学分野からは乙坂准教授が参加しました。
2011年に発生した福島第一原発事故によって福島周辺海域に沈着した放射性核種の動態を追跡するために継続的に実施している航海で、新青丸の福島沖航海としては1年ぶりの実施となります。航海では、CTD-CMSを用いた海水試料、マルチプルコアラ―を用いた堆積物採取、各種プランクトンネットや生物ドレッジを用いた生物試料の採取などを行い、持ち帰った試料の分析結果から、各相における放射性核種の動態が詳細に議論されます。
福島周辺海域では、原発事故で発生した処理水の海洋放出が計画されており、多くの関心を集めています。この航海は、放出前の総合的なバックグラウンド調査のための貴重な機会でもあります。
処理水の放出については、下記の記事にも乙坂准教授のコメントが掲載されています。いろいろな意見がありますが、いずれにしても継続して調査することが重要です。
(Nature)
https://www.nature.com/articles/d41586-021-01225-2
(Science)
https://www.science.org/content/article/japan-plans-release-fukushima-s-contaminated-water-ocean
(The Lancet Oncology)
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CTD-CMSシステムによる観測の様子。奥に福島第一原発が見えます。