東京大学大気海洋研究所
海洋無機化学分野
研  究  活  動
(研究航海・学術調査)


 ● 2014年度研究航海

航 海 名 :学術研究船白鳳丸KH-14-6(Grus Expedition)
航 海 期 間:2014/12/2(東京)〜2015/2/26(東京)
寄港地:ウェリントン(ニュージーランド):2014/12/24-27
    オークランド(ニュージーランド):2015/1/20-24
    マジュロ(マーシャル諸島):2015/2/11-14
本分野からの乗船:蒲生俊敬(主席研究員),小畑元,中山典子,金泰辰,鈴木麻彩実,陳聡,原拓治,黄国宏


 
KH-14-6次航海の航跡図
 

本航海の第2レグ(ウェリントン~オークランド)
と第3レグ(オークランド~マジュロ)は,
国際GEOTRACES計画の一環として,
西経170度ライン(赤道〜南緯64度)の
15観測点(GR-7からGR-21)にわたり,
詳細な断面観測を行った(航跡図参照)。
第1レグの観測点GR-6(30°S, 174°E)と
第2レグのGR-13(32°30'S, 170°W)では,
以前オーストラリアが実施した
GEOTRACES観測との相互比較を行う予定である。
また第4レグ(マジュロ〜東京)では,
マリアナトラフ海底熱水活動域における
観測を行った。

 

各観測点において,チタン製アーマードケーブル(2番ウィンチ)によるクリーンCTD採水(12リットル型Niskin-X採水器24本使用)を,
海洋表面から海底直上まで実施した(写真-1参照)。現在,乗船研究者及び陸上の共同研究者によって,
海水中の微量元素等の分析が行われている。なお,チタンケーブルは老朽が進んだため,その使用は2014年度で終了となる。

 

   
写真-1:白鳳丸右舷甲板でのクリーンCTD採水の様子(第2レグ)

写真-2:乗船研究者集合写真(第1レグ)
 

最後の寄港地マジュロでは,在マーシャル日本国大使・安細和彦氏(写真-3向かって右から二人目)をはじめとする
現地の方々に盛大に見送って頂いた。

 

   
写真-3:マジュロを出航
 


 ● 2013年度研究航海

航 海 名 :KH-13-7 Leg. 2
航 海 期 間 :2014/1/1(アメリカンサモア) ~ 1/21(ニュージーランド)
本分野からの乗船:小畑元, 鈴木麻彩実, 三輪一爾

年末に日本を出国し、ハワイを経由してアメリカンサモア・パゴパゴへ!!
真冬の寒さからいきなり熱帯の蒸し暑い気候となり、季節がよくわからなくなってしまいました(笑)
白鳳丸の中で年越しし、元旦に出港!!

 
 写真:出港直後

西経170度ラインを南下していきました。
今回の航海は採水する人が多く、ニスキンの取り合いでした笑(写真右)
我が研究分野はクリーンブースの中で採水するため、取り合いには参加せず、少人数で黙々と採水し続けていました(写真左)。

   

採水する人が多かったためか、今回の航海は比較的楽に感じました。
結局海が荒れてしまい、南緯50度までは行くことができませんでしたが、シイラを見たり、イルカを大量に見たり、海の色がすごくきれいな青色だったり・・・っと
またしても自然をいっぱい満喫できました。

 

最後にお世話になったライフジャケットを洗って(写真)終了。
私たちはニュージーランドで下船しました。
その後少し(!?)だけニュージーランド観光をして帰国の途につきました☆

追記:今回も大量にパンを焼きました(*^^)v




航 海 名 :新青丸慣熟航海 KS-13-T3 レグ2
航 海 期 間 :2013年10月30日(東京港出港)~2013年11月5日(横須賀港帰港)
本分野からの乗船:蒲生俊敬(主席研究員),小畑元,金泰辰

海水中の微量元素・同位体に関する研究は国際GEOTRACES計画を経て、大きく発展しつつある。
竣工したばかりの新青丸の化学系テスト観測を行うため,研究者14名が乗船して観測機器類や船上装備をテスト使用した。
特に可搬式クリーンウインチを用いた採水・船上分析,およびデータ取りまとめが問題なく行えるかどうか確認した。
船内は淡青丸よりも遥かに広々としており,食事も美味しい。
幸い海況にも恵まれ,相模湾と日本海溝付近の測点において,クリーン採水と大量採水が深度6000mまで実施できた。
本航海において、国際的にも高いレベルのクリーン試料採取法を確立できた。
また新青丸の不具合箇所も若干見出され,今後ドック工事等で改善される見込みである。
今後,新青丸を用いた共同利用研究航海で,東北沖など沿岸域を中心に,世界に発信できる品質のデータを取得できるものと
期待される。

 (写真は,帰港前日の11月4日,横須賀港・住友重機岸壁を目前に,新青丸後部甲板に集合した乗船研究者全員)
 


 ● 2012年度研究航海

1)淡青丸KT-12-12次研究航海(主席研究員:佐野有司教授(大気海洋分析化学分野))

5月27日に東京港のお台場を出港し,九州南方の薩摩硫黄島近海と鹿児島湾北部で,海底熱水活動の調査を実施した。
斜面から白い噴煙を上げている薩摩硫黄島(写真1)付近で海水採取(写真2)と堆積物採取を行った。

     


写真1 
   

写真2
梅雨前線の北上で海況が悪くなったため,鹿児島湾に入って
桜島北方の海底熱水域(たぎり海域)で調査を継続。
湾奥では流石に海は穏やかだった。

目前の桜島からは時々黒い噴煙がもくもくと立ち上り(写真3),
雨と一緒に黒い火山灰が大量に降ってきた。

淡青丸(30歳)は本年度で引退するので,これが見納めになるかも
しれず,6月3日の下船日には鹿児島港で別れを惜しんだ(写真4)。
(蒲生俊敬記)
 

写真3
   

写真4




   
2)白鳳丸KH-12-3次研究航海(北西太平洋)

3)白鳳丸KH-12-4次研究航海(北太平洋47°N横断,主席研究員:蒲生俊敬)

  期間:2012年8月23日(木)~10月6日(土)
  
  
     
  8月29日,北緯47度東経160度で最初の大測点。気温10℃台の濃霧の中,2日間昼夜通しての観測(写真1)。

 9月10日,低気圧の通過という悪天候,日付変更線越えという体験もある中,
 当室4名の活躍(写真2 左から小畑,鈴木,金,高橋)


 

写真1
   

写真2
  
 9月14日,ダッチハーバーに入港(写真3)

 ダッチハーバー出発後は,食堂に食器落下防止の縁が取り付けられるほどの悪天候が続くも,
 10月3日バンクーバーに無事入港。
     
  

写真3

                      

 

 2011年度研究航海

1)淡青丸KT-11-6次研究航海(東北沖)

2)白鳳丸KH-11-7次研究航海(北西太平洋)

3)白鳳丸KH-11-10次研究航海(太平洋)

 2010年度研究航海

1)白鳳丸KH-10-1次研究航海(本州南方)

2)白鳳丸KH-10-2次研究航海(日本海・北西太平洋)

 2009年度研究航海

1)淡青丸KT-09-13次研究航海(本州南方海域)

2)白鳳丸KH-09-5次研究航海(インド洋縦断)

 ● 2008年度研究航海

1)淡青丸KT-08-14次研究航海
   (主席研究員:小川浩史)

目的:相模湾・伊豆黒潮周辺海域における有機物動態に関する研究

海域:相模湾・伊豆黒潮周辺海域

期間:2008624日(火)74日(金)

参加者:成田

2)白鳳丸KH-08-2次研究航海
   (主席研究員:植松光夫)

目的:西部北太平洋における大気と海洋の物質循環・生態系の相互作用(SOLAS/IMBER航海)

海域:西部北太平洋

期間:2008729日(火)~916日(火)(81923日,釧路寄港)

参加者:小畑,柴田,馬瀬(レグ1),中山,小倉(レグ2

 ● 2007年度研究航海

(1) なつしまNT07-08次研究航海
   「水曜海山の熱水循環過程における超好熱細菌の
      分布と分散・核膜構造が不完全な深海微生物の系統進化学的解析
        (主席研究員:木村浩之)」

目的:熱水中に含まれる微量金属元素・希土類元素の分析・相互比較を行う。

海域:伊豆・小笠原海域(水曜海山熱水域)

期間:2007515()528() 

参加者:寺西

(2) なつしまNT07-11次およびNT07-13次研究航海
   「
深海底熱水活動域の熱水-海水混合域における
      化学合成独立栄養細菌の
zonation
        (主席研究員:中川聡)」
   「南奄西海丘熱水活動域地球微生物学調査
        (主席研究員:布浦拓郎)」

目的:熱水域における微生物活動と微量還元気体の挙動の関係を明らかにする。

海域:沖縄本島北方(南奄西海丘熱水域・伊平屋北熱水域)

期間:2007618()626()  73()77()

参加者:川口・成田


(3)「大槌湾の微量金属元素・微量ガス成分に関する研究」

目的:沿岸域における微量金属元素分布および微量ガス成分の日周変化の解明

場所:岩手県大槌湾 東京大学国際沿岸海洋研究センター

期間:2007520()~25()

参加者:小畑、川口、成田

コメント:天候にも恵まれ、順調な観測。24時間採水も敢行。


(4) 淡青丸KT-07-15次研究航海
   「相模湾・伊豆周辺海域における各態有機物の分布、
      化学組成及び分解特性に関する研究
         
(主席研究員:小川浩史)

目的:微量金属元素と溶存有機物の分布の相互比較を行う。

海域:相模湾、伊豆周辺海域

期間:2007628()73()

参加者:小畑

 コメント:生元素動態分野の淡青丸航海に初参加。帰りの黒潮は揺れました・・・。

(5) 白鳳丸試験・訓練航海
   「海洋観測に関する技術手法の確立

           (
主席研究員:蒲生俊敬)

目的:曳航体によるクリーン採水試験

海域:熊野灘、四国沖、伊豆小笠原海溝

期間:2007720()727()

参加者:蒲生、小畑、寺西

  コメント:曳航体の航走と採水に成功!


(6) 日本海の化学環境と海水循環に関する総合観測研究
  (Asian GEOTRACES,k CREAMS/PICES)
     (主席研究員:蒲生俊敬)

目的:

海域:日本海

期間:2007924()104()

参加者:蒲生、中山、寺西、成田

(7) 淡青丸KT-07-27次研究航海
   「相模湾・東京湾・駿河湾における微量元素の地球化学的研究
(GEOTRACES)
         (
主席研究員:小畑 元)

目的:相模湾をはじめとする日本近海における微量元素の循環過程の解明。今航海は特に堆積物-海水間の相互作用を調べる。

海域:相模湾、太平洋黒潮域、東京湾、駿河湾

期間:20071021()25()

参加者:小畑

  コメント:日数は短いですが、大量採水、マルチプルコアラーと
       盛りだくさんな航海。マイクロバスは最後のお務め。

(8)淡青丸KT-08-4次研究航海
    (主席研究員:佐野有司)

目的:我が国南西方海域における海底熱水活動と物質循環の研究

海域:沖縄トラフ伊是名カルデラ

期間:2008313日(木)~ 319日(水)

参加者:蒲生,川口

  コメント:この時期としては穏やかな海況に恵まれ,伊是名カルデラ内の
        熱水プルームと海底堆積物の採取を実施。

UP